《MUMEI》

「齋〜じゃ、行ってくるから…悲、頼むな!」


「暗〜済まぬな…ゴホッゴホッ…」


「うん、暗〜任せておいて、大丈夫だから…」


…齋、随分痩せたな…大丈夫なのかな?明日にでも、また医者を頼もう…。


それから、僕と稚麻は卒業式へと出掛けた。


「齋?…具合悪かったら言ってね。」


「ああ…」


「何か食べたい物あったら言ってね?」


「うむ…」


「あ、寒くなったら言ってね。」


「はは…」


「あ、洗濯…」


「悲…」


「はい?」


「煩い…(笑)」


「あ…ごめんなさい」シュンとなる悲に、笑いかける齋。


「済まぬ…怒った訳ではないんだえ?そんなに気を使ったら、悲が疲れてしまうだろ?」

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