《MUMEI》

「儂は、大丈夫だから〜天気も良いのだし…友達と出掛ても良いんだえ?」


「…齋のバカ!」


「!?」


「ど〜して、分かんないの?こんなに…好きなのに…」


「悲…」


「やっぱり〜ダメなの?私では…齋の相手にならないの?」


「悲…済まぬ…。悲は儂なんかより、他に…」


バフッ…
手近に有った、バスタオルを齋に投げつけ、部屋を出る悲…。


「フッ…本当に、気の強い…ゴホッ…当にそっくりだえ〜。」


…赤字の…当の…二人の娘じゃなかったら…


いや…儂には…無理だえ…。


『相変わらず、モテてるようだな。』
齋の後ろの影から、声がした。

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