《MUMEI》

「齋…?」
悲の声がする。


死神は慌てて、姿を消した。


「なんだえ?悲」


「さっきは〜ごめんなさい。」


「大事ない。気にするでない。」


「あのね…齋…ハッキリ言うね。私は…齋が好きなの、

年なんて関係ない。
狐だってかまわない。齋が…齋だから…好きなの。

でも…もう苦しいの…望みがないって解ってる…だから齋から、振って下さい。

そしたら〜諦めるから…。」


「悲…辛い思いをさせたな…済まぬな…儂は…悲の想いに応える事は…出来ぬ故に…許して欲しいんだえ…」


「齋…」
悲は泣きながら、齋に抱きついた。


齋は〜悲の頭を撫でようと…した手を…握りしめ…切ない顔をした。


悲は…泣き止み、齋に「ありがとう」と言って出て行った。


齋は…自分の握りしめた手を見つめていた。「フッ…馬鹿な考えを…」

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