《MUMEI》
ショック
そんな3人の帰り道が、別れる十字路にさしかかった。



「じゃあまた明日ね、のび太さん…

…出来杉さんも…」



彼女は僕の名前を後につけ足すと、手を振って僕の前を素通りしていった。



「じゃ…ぁ…」「またね〜!しずかちゃぁん!」


のび太の奴は僕を差し置いて、しずか君に笑顔を振り撒く…。



――…クスッ……。


しずか君は、のび太にだけ微笑み返すと、僕の眼を一度も見ることなく手を振って帰っていった――…。



僕は、打ちひしがれた思いでその後ろ姿を見送るだけだった――…。

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