《MUMEI》
卒業式の後
「うえっ…うっ…う…え〜ん…」


「稚麻、もう泣き止めよ。僕が泣かしたみたいじゃないか?」


稚麻は、卒業式の後も泣きっぱなし…。


「く、暗ちゃんなんか…冷血漢だから、分かんないのよ、この乙女心が…。」


僕のスイフトの助手席に座り、暴言を吐く稚麻。


…冷血漢って…まあ、冷めてるけどさ…。


あ〜あ、良く泣くね…グチャグチャじゃん、顔…


僕は、タバコを出して一本を口にくわえた。


「暗ちゃん?タバコ吸うの?」


…あ、泣き止んだ。
「うん、先輩に教わった。」


「ダメ!」
稚麻が、僕の口から、タバコを奪った。


「稚麻、何するんだよ?別に…タバコくらい…」


「癌になりやすいって…身体に悪いんだからね…。」


「稚麻…。」
僕は、タバコをしまった。

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