《MUMEI》

「稚麻…なんか好きな物でも食べに行こうか?卒業祝いにさ…」


「ううん、お父さんが心配だから…帰る。」


僕は、稚麻の頭を軽くポンポンと叩いて、車を発進させた。


…変わらないな、稚麻は…自分よりも、他の人の心配ばかりだ。


…稚麻〜そのままで、早く大きくなって…。


僕は…待ちくたびれちゃうよ?ねえ…稚麻?


君は…気付いているのかな?


僕にとって、君は〜ただ1人の大切な女の子だってさ…。


…てか、いつの間にか寝てるし…


助手席で、泣きつかれて眠る稚麻に苦笑する僕だった。

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