《MUMEI》

俺は打席に入ると、真っ直ぐに相手チームのピッチャーを見据えた。


其れこそ物凄い威圧感を兼ね備えて。


いざ勝負っ!!!



第一球がマウンドから放たれる。


これは…エラく緩急差が激しいカーブだな。


俺は冷静に分析してしっかりとボールを捕えた。

そして……


ギーン!!!


少し鈍い音と共に、俺が捕えた球は遥か上空まで打ち上げられた。


行けぇ!!!!


俺の願いが通じたのか、ボールはぐんぐん飛距離を伸ばす。


トンッ!!


軽くボールが弾む音がした。


俺は走るスピードを緩めて後ろを振り返る。


ボールは…バックスタンドへ直撃していた!!!

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