《MUMEI》 「ただいま〜お父さん、大丈夫?」 「おや、稚麻〜おかえりだえ?無事終わったんだえ〜。」 「うん。あれ?悲ちゃんは?」 「ちょっと用事で、帰ったんだえ。」 「齋?…」 「稚麻、ちょっと暗と二人きりにさせてくれるかえ?」 「うん…分かった。」 稚麻は部屋を出て行った。 「齋…まさか…」 「暗…悲を…泣かせてしまったんだえ、済まぬな…。」 「いや…齋のせいじゃないから…。」 …そっか…悲、振られたんだな…、またソファーで泣いてるな、アイツ…。 「齋…ハッキリ振ってくれて、ありがとう。悲の為に…嫌な事をさせたね…ごめん…」 「暗は、やっぱり良い子だえ。」 齋が寂しそうに笑った。 「齋…?」 僕にはその笑顔の意味が分からなかった。 前へ |次へ |
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