《MUMEI》
夕空
◇◇◇

蜜樹君が厨房に籠ってる間──

「ふぅ──‥」

あたしはまったりお茶を飲みながら──

窓から見える夕焼けを眺めてた。

烏が連立って飛んで行ったり──

赤トンボが滑って行ったり──。

すっかり秋だなぁって思う。

それにしても──

綺麗な夕焼け‥。

厨房からは──

砂糖で煮詰めた小豆の甘い匂いが漂って来る。

その匂いにうっとりしながら──

ふと‥‥

蜜樹君のあの台詞が頭に浮かんできた。

『蜜樹って呼んでくれてもいいぜ?(笑)』

どうしようかなぁ‥。

◇◇◇

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