《MUMEI》

親父が、全てを指示して、齋の葬儀は滞りなく済んだ。


親族と呼べる者もおらず…稚麻は〜独りになってしまった。


「稚麻…」


「あ…暗ちゃん…」
無理に作った笑顔が痛々しい…


「笑うなよ…こんな時まで…気なんか使うんじゃない!」


僕は稚麻を抱き締めた。


「フェ〜ン…暗ちゃ〜ん…」


「うん、うん…」


暫く…僕の胸で泣いてた稚麻は…、顔を上げて「ありがとう…」と言った。


その顔を見た時に…僕の中で、ある決心が生まれたんだ。


本当は、ずっと前から考えていた事…


多分、親父に反対される事…。


でも僕が〜一番望む事…。

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