《MUMEI》
余計な一言
「祐はいっつも一言多いわよね」


志貴の言葉に、俺達四人は深く頷いた。


「悪かったな。あ、希、子供たくさん産めよな。
それで、一人くれ」

「『くれ』って…」

「だって、俺、雅樹の子供産めないから。
後継ぎにするから」

「あげません!」

「何だよ、柊のケチ!」

「本っ当に、とんでもない一言ばっかりね」


志貴の言葉に、もう一度俺達四人は深く頷いた。


「何だよ! 俺は高山家の将来の為にだな…」

「必要無いよ、果穂さんが…」


「お祖母ちゃん!?」×4


(しまった)


うっかり、果穂さんの頼み事を喋りそうになってしまった。


「俺、飲み物取って…」


ガシッ!


「雅樹が取ってきてくれるって! …なぁ?」


(行かないで下さい!葛西先輩)


俺は目で訴えた。


「雅樹君…」

「「葛西先輩」」


「…」


「瞳さんとゆっくり話してこいよ」

「…いいのか?」


葛西先輩の顔が輝いた。


「お、俺、ものすごく喉が…」

「あ、飲み物、ここに置くわね」


…絶妙のタイミングでせいこさんがペットボトルを置いて、素早く立ち去った。

葛西先輩もすぐに瞳さんの所に行ってしまった。

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