《MUMEI》
四人の心配事
俺は結局果穂さんからの頼み事を白状した。


俺の話を聞いた四人は、顔を見合わせた。


「賑やかな新学期になりそうだなあ…」

「目立つからね〜」

「希さん、大丈夫?」

「大丈夫よ」


(…?)


俺は、話についていけず、ボンヤリしていた。


「祐也も気をつけないと!」

「…何で?」


入学してくるのは、候補の女の子達だし、彼女達の目的は俺ではない。


なのに、何故俺が危ないのだろうか。


首を傾げる俺を見て、四人はため息をついた。


「お前、クリスマスイブにあんだけ迫られて…」

「初詣にも押し掛けてきたじゃない」

「希さんには俺がいるけど、祐也の彼氏の忍さんは近くにいないから、多分ものごく狙われると思うよ」

「この中で、一番大変なのは田中君なのに…」


「ちょ、ちょっと待ってよ!」


(何か、おかしくないか?)

俺は、何故自分が呆れられたりため息をつかれたりするのかわからなかった。

「入学するのは女の子だけだろ!?」


「何言ってんだ?」

「そうよ、祐也が言ったんじゃない! あの二人も来日するって!」

「…祐也、もしかして…」
「田中君、知らないの?」

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