《MUMEI》

◇◇◇

≪ガラガラッ≫

お店の戸を開けた瞬間──‥

「あんこっ、いいもん用意してあるぜ♪」

蜜樹君があたしの腕を掴んだ。

「?」

お座敷の卓袱台には──

「お汁粉‥?(驚)」

しかも焼餅入り‥///

「み、蜜樹君──何で分かっ‥」

「こういう日はやっぱ汁粉だろっ?(笑)」

「ぇっ‥(驚)」

まるであたしの心を読んだみたい‥。

あんまりビックリして目を円くしてると──

蜜樹君があたしをお座敷に引っ張ってく。

悴んだ両手で椀を包んで一口流し込むと‥‥

「───────」

じんわり体があったかくなってきた。

◇◇◇

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