《MUMEI》

◇◇◇

≪ドクン‥≫

おずおずと上がった蜜樹君の顔は‥‥

林檎色に頬を染めて‥

ちょっぴり潤んだ瞳であたしを見てる。

「ごめん‥な‥あんこ」

何故かあたしはドキッとして‥‥‥

こんな蜜樹君の表情見たの初めてで‥‥‥

≪ドクン‥ッ≫

「ぁ‥‥、ぁ‥あのね、蜜樹君」

あたしは気にしないで≠チて言おうとしたんだけど──‥

すぐには声が出せなくて‥‥‥

その言葉を言えたのは‥

二息分位の間が経ってからだった。

◇◇◇

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