《MUMEI》
隣人さん116号
みなさんこんにちは。
今日も元気に放置プレイ(?) 渡部志雄です。


「おはよお志雄君!」

ついでにこの世界中のアホヅラを結集して生まれたような奴が明石珠緒、敵です。敵っ……


「……邪魔」

今、抑揚の無い美声で足払いして下さったのは氷室千秋様です。
人類は彼を神と崇めます。


「「「おはようございます」」」


ほら、崇めてます。
みなさんはなんて綺麗で直角な腰の折り曲げでしょうか。


「タマ、昼は代表会議だから。」

何故この小学生みたいな豆粒が氷室様に気にいられているのか謎だ。
僕が明石珠緒の前の席だったのにすっかり今では氷室様の特等席に……これもよく分からないけど、氷室様のその横暴に躯の熱が冷めませんっ……

「はい、お待ちしております!」

くそう、明石なんかの間抜けな返事で心を乱されるな僕、平常心だ平常心……。

「お前も来い。」

氷室様ーーーー?!
連れてっちゃうんだ!
連れてっちゃうんだ!
もう一度言うけど
連れてっちゃうんだ!



「はい、千秋様。」


「ちっ……?!」

椅子、ぶっ飛びました。てか、え、何この豆粒……
今、千秋様って……?!

幻聴?!
そうなの?

聞き間違いを訂正するべく彼等の会話に聞き耳をたてた。

「タマ、珈琲買ってこい」


「はい千秋様!」

ちあきさま……ちあきさま……さまさまさまさまさまさま……(エコー)

敵だっ完全に敵っ……!

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