《MUMEI》
雷雨
四月、最初の登校日。


今日から、俺と志貴と守達は二年生だ。


それは、当たり前の事なのだが…


「どうして誕生日教えてくれなかったの!?」


俺は、久しぶりに会った志貴に雷を落とされていた。

話の流れとしては、俺が指輪をしているのを志貴が見つけ、どうしたのかと訊かれ、『忍が誕生日にくれた』と答えたら、…


一瞬固まった後、こうなった。


「祐や柊はこの事知ってるの!?」

「し、知らないよ」


そして、志貴は何故か祐に電話し、俺に柊に電話するよう命令した。


(何なんだ? 一体)


志貴が怖かったから、一応かけたが、柊も今日は始業式のはずだから…


《もしもし、祐也? どうしたの?》


(あ、出た)


生徒会役員だから、忙しくて出れないだろうと思っていたから意外だった。


「大した事じゃないんだけど…」


一応、柊と春休み会った日は俺の誕生日で、忍から誕生日プレゼントに指輪をもらった事を報告してみた。

《…》


(反応無いな)


「悪いな、それだけ…」

《…グスッ…ッ…
酷いよ、ッ…友達のゥ、俺にィ、黙ってるッだ……なんてェ〜!》


(嘘だろ?)


柊は…号泣していた。

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