《MUMEI》
普通じゃない後輩
「ホモじゃなかったんだな」


拓磨の言葉に、俺はどう答えようか迷った。


「整列よ」


志貴が言うと、拓磨は素早く移動した。


「…悪い」

「整列しないと怒られるのは本当だから」


そして、俺達は廊下に整列し、体育館に入場した。


俺の身長は、そんなに高くない。


(拓磨や真司位あればなぁ…)


集団に埋もれながら、そんな事を考えていた。


入学式と違って新入生の挨拶も無いから、新入生代表になったと果穂さんの資料にあった人物も、よくわからなかった。


若干視線は感じるような気はしたが、穏やかに、始業式は終了した。


(後で、嫌でもわかるか)


「「〜や〜!」」


…?


「祐也!逃げて!」


(へ…?)


[祐也!会いたかった!]

[祐也!どの子が候補!? 皆可愛くて、俺迷っちゃう!」


振り返った俺を、同じ顔の二人が囲んだ。


(これで高一なんて誰が信じるかよ)


俺は、双子を


厳と頼を見上げながら、ため息をついた。


俺が年上だとずっと思っていた二人は、一つ年下で、俺は、果穂さんに二人の花嫁を見極めてほしいと頼まれていたのだった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫