《MUMEI》 …天使?二年後。 その日は、也祐様の十五歳の誕生日パーティーが開かれる事になっていた。 (やっぱり、すごい) 春日の親族には何故か内緒にしているが、その日のパーティーを準備していたのは、也祐様と、也祐様が卒業と同時にアメリカから連れてきた御学友の皆様だった。 いつもパーティーの準備をしている父は、也祐様の配慮で清也様の部屋に行っていた。 (おれも、はやくあのなかにはいりたいなあ…) 俺は邪魔になるから、結局、二年前と同じように、外にいた。 (ここで、あったんだよなあ) あの時、上から声がした。 「あれ? 小さい子がいる? … もしかして、忍君?」 「え?」 「あ、そうなんだ。ごめん、ちょっとどいて」 「え?」 後ろに下がると、二階の窓から白い靴が降ってきた。 そして 「えぇ!?」 白いドレスの女の人が、舞い降りた。 木に飛び移らず、直接二階から降りてきたから… …天使のようだった。 「はじめまして。よろしく、小さな執事君」 何事も無かったかのように靴をはいて、その美しい女の人は微笑んだ。 その笑顔に、小さな俺は一瞬で心を奪われた。 前へ |次へ |
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