《MUMEI》
新当主
その日、也祐様は、也祐様から旦那様と呼ばれる立場になった。


「既に也祐は、大学を卒業したし、在学中から私の補佐も秘かにしてくれていた」


父に支えられながら、清也様が説明すると、会場がどよめいた。


(すごいんだ、やっぱり)


俺は、尊敬の眼差しを新たな当主となった也祐様に


旦那様に向けた。


「後は頼むよ、也祐」


清也様は、頷く旦那様にマイクを渡して、父と共に会場を後にした。


旦那様は、御学友の皆様を自分の側に呼んだ。


彼等は、肌の色や瞳の色が皆異なっていた。


「これからは、春日グループは、完全実力主義を貫く。…私と、彼等を中心に。

実力の無い者は、春日の身内でも

…必要無い」


最後の一言が、冷たく響いた。


実力のある者を重役に置くのは普通だ。


旦那様を慕うのは、家柄や人種に関係無く、純粋に能力を評価された人々だった。


しかし、それは、一部の身内の強い反感を買った。


「何を言う、也祐!そんなどこの馬の骨かわからない連中を信用するのか!

小さい時から今までお前を可愛いがってきた私達親族よりも、そいつ等が大事なのか!

どうなんだ!? 也祐!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫