《MUMEI》
英語教師
[こら! お前達何やってる!]

[[あ、先生]]


(担任、英語教師か)


俺はホッとした。


[ゴメン、先生。祐也に会えて嬉しくて]

[…は?]


頼の言葉に、担任は首を傾げた。


[あのね、先生。祐也はお祖母ちゃんに言われて、俺達の…]

「わ〜わ〜わ〜!」

「どうした、田中?」


いきなり奇声を発した俺を見て、英語教師が目を丸くした。


[痛い痛い!]


その隙に、志貴が厳の頬を引っ張った。


「…津田?」

「親戚同士のちょっとしたスキンシップです、先生」
「そ…そうか?」

「はい、ね? 厳君?」


志貴が女王様スマイルを浮かべると、厳は涙目で頷いた。


[痛っ!]

「こ、今度は何だ?」


「スキンシップです、先生。俺も親戚なんで」


頼の後ろから祐が現れた。

…背後から蹴りを入れたようだ。


「…仲村妹は、しないよな?」


英語教師は、希先輩の姿を探した。


「希はとっくに教室ですよ」

「さ、祐也。私達も帰りましょう」

「あ、うん」


(助かった)


俺は、志貴と一緒に教室に戻った。


(英語が通じるのも、困ったもんだな)


厳も頼も、祐に負けず劣らず、失言が多いようだ。

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