《MUMEI》

◇◇◇

本番当日──。

今日は土曜日だからあたしは信玄さん達と見送りに来てた。

「じゃあ──‥行って来ます(笑)」

蜜樹君はピシッと敬礼すると‥

会場に向かって歩き出す。

あたしはその背中に向かって──

「ミツキ〜!」

思いっきり叫んでた。

そしたら蜜樹君は振り返って軽く片手を掲げた。

言わなくても分かる。

楽しんで来るな(笑)

そう蜜樹君が思ってるのが。

確かに‥

順位は大事かも知れない。

でも思うんだ。

ほんとに大事なのは──

気持ちなんだって事。

それは蜜樹君の方がよく分かってる。

だから──

その思いの通り楽しんで来て欲しいな‥。

精一杯──。

◇◇◇

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