《MUMEI》

新しいメールも見てみる。


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 同じように苦しませてやるからな
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お……怒ってた……!

こわ、怖あ……!






 ルルルルルルルル……



「先輩、携帯。」

安西に言われなくても分かりますよ……
七生からの電話だ……。

心拍数ヤバ……。


「 ハイ。」

手だけじゃない、声も震えてる。


『オハヨ、よく眠れた?』

七生のうっとりするくらいのやらかいモーニングコール……
意外な切り返しだ。


「……ん。」


緊張よ、治れ。
電話は余計に上手く喋れない。いつもの感じと違うからかもしれない。


『二郎、お早うは?』

ひぃぃ、七生君それは耳元で聞くべき台詞じゃないです……
七生の声が体中を駆け巡るかのような感覚だ。


「……はよ。」

舌が縺れて上手く言えないよ……。


『 当ててやろうか?今、二郎は起きたばかりだ。』

「うん。」


『で、スーツ着てない。』


「……ッ、なんでそんな事まで?!」

何故解る!


『居場所を言いな』

恐喝みたいな台詞を平淡な口調で言われた。
いつものちゃらんぽらんな七生らしかぬ言葉に俺は逆らえるはずもなく、あっさりと従ってしまう。


きっと、今みたいな声でお願いされたらなんでもしちゃうかも……。
いやいやいや、駄目だこの考えは!


「は、スーツ!」

七生来るのにこんなシャツ一枚じゃいられない。

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