《MUMEI》 ◇◇◇ 「ふぁ〜‥」 幸福堂に戻ってからまた色々話したりして── 家に着いたのはすっかり日が暮れた頃。 ごろんと畳に寝転がる。 いつ電話がきてもいいようにケータイを手に握り締めて。 今年── あたしは生まれて初めて‥ 誰かの為にお菓子を作った。 和菓子を作るなんて思ってもみなかったけど── でも喜んでもらえたからほんとに良かった。 そういえば蜜樹君── 気付いたかな‥。 箱の中にあの和菓子の名前を忍ばせておいたのを。 君想≠ネんて自分で言うのは恥ずかしかったから言えなかったけど‥ あたしの気持ち── 伝わってたらいいな。 ◇◇◇ 前へ |次へ |
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