《MUMEI》

結局今日もいつもと変わらず、パシりをやらされ、クラスの奴からには毛嫌いされた。


学校から帰宅して、自分の部屋に入るなりベッドへ身を投げる。


何度考えただろう……。


『いっそこのまま楽になれば…』


俺の頭の中でその言葉がグルグルと駆け回る。


俺は以前、実際にこの言葉通りに行動へ移したことがある。


ナイフを逆手に持ち、刃先を俺の首へ向けたのだ。


その時の俺は、一息で自分の首を刺すつもりだった。


けれど、この鋭利なものが俺の首を仕留めた瞬間、もうこの世には戻って来れないのだと思うと……。


この世にはもう何も未練は無いつもりなのに…。


俺は自殺することが出来なかった。


そして、この時悟った。

俺は自分で死ぬことすら出来ないとても弱いヤツなんだ、と。

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