《MUMEI》 あれ?「おい…まさか、忘れたっていうわけじゃないよな?」 俺はずっと悩み込む。 「んー…秋谷尚…秋谷尚…」 「駄目だ…随分前に会ってるはずなのに会ってないや」 バイトで会ったかな…? 「…どこで会った?」 「なんで知らないんだよこいつ〜!」 宮が後ろでジト目になっている…やばい。 「あ、あれか?高校時代に俺コンビニでバイトしてたんだよね!きっとそこで会ったのかも!」 俺は座りながら話す。 宮の家に着き、部屋に上がると、完璧に片付いているので、清潔だった。 「あ…そうかもしれない」 「…俺さぁ、その時に一目惚れしたんだよね!」 尚の突然の発言に宮も電話から音漏れしてたのか、目を泳がせていた。 (え!?違うの!?大学で同級生でそれで一目惚れしたんじゃないの?) 「俺は多分…気付いてなかっただろうな」 「俺なんか、信用してたんだよ」 尚は食べながら話している。 「ねぇ…食べながら話すのやめてくんない?」 あぁ…こいつは本当に俺の彼氏かね。 「アハハ…ごめんごめん」 「宮も知らなかったって」 「そりゃそうさ!だって俺と宮は高校で会ったばっかりだもん!」 そうなのか… 宮と俺は目を合わせた。 「そうか…なんだ、じゃあ俺と会ったの初めてじゃなかったんだ!」 それを言った途端、尚は激怒した。 「だから、さっきから言ってるだろ!」 「アハハ…ごめんごめん」 そして、俺は少し耳から携帯を話した。 「聞きたい事はそれだけ。じゃあな!」 電話を切った。 その時、宮が俺の傍に来ていた。 「ねぇ…龍也」 「なんだよ?」 「私は…どれだけ好きになっていいの?」 思わず、そう言われると、顔も近いので、赤面になってしまった。 「う…そ、それは」 「ねぇ…龍也」 その時、俺は思わず突き放してしまった! 「痛!何すんのよ!」 ベッドの板にぶつかったので、痛かっただろうなぁ… 「わ、悪い」 「…でも、そういう所嫌いじゃないわよ」 「…宮?」 前へ |次へ |
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