《MUMEI》
花嫁候補
[ね〜、祐也先輩、教えてよ]

[果穂さんに殺されるから嫌だ]


部活を終えても、頼は俺にまとわりついていた。


果穂さんが選んだ花嫁候補は全部で六人いるが、厳と頼はそれを知らない。


一方、花嫁候補達は、一応厳と頼のプロフィールを知っている。


ただし、彼女達が強制されているのは『吾妻高校に通う事』だけで、彼女達が厳と頼を気に入らなければ、関わる必要は無い。


そして、厳と頼は、花嫁候補以外の女性を選ぶ事もできる。


しかし、花嫁候補達と厳と頼とが自由に恋愛できる期間は、引き受けてはいないが、見極め人である俺のいる二年間だけと決まっていた。


その間に、厳と頼が相手を見つけていない場合や


俺が見て、とんでもない相手を選んでいる場合は


候補者の中からその時点で、成績優秀な二名を二人の婚約者にする事を、果穂さんは決めていた。


(それだって、結構、甘いんだよなあ…)


実は、六人の中には、既にプロフィールを見た時点で、厳と頼に好意を持っている女性が一人ずついた。


彼女達が勉学に励めば、最悪でもそれぞれに好意を持った女性が、婚約者になる仕組みになっていたのだった。

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