《MUMEI》
こうよう
僕は、学校を途中でサボってしまった。
クラスメートは、つまらない先生の冗談に笑うフリ、
僕には当然、そんな芸当は出来ないわけで
唇を固く結んで、ただただ黙り込んでいた。
先生は無表情の僕に向かって、しつこく同じ冗談を投げ掛けてくる。
まるで、クラスメート達と 同じ顔を
同じ声で
同じように
演じろと体にインプットされていくようだ。
彼らのふと見せる無機質な瞳に囲まれながら、
僕はこの教室の異物になったんだと
思った。
保健室で暫く居眠りをして、学校を出た。
帰り道、通り過ぎる樹木の中から紅葉を見つけて、急に
あの公園が 恋しくなっていた。
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