《MUMEI》

――地球統一連邦本部――


薄暗い部屋の中で正面に添え付けられた巨大モニターを食い入る様に観る男達がそこにはいた。

全員胸には何らかしらの勲章をちりばめており、

官僚「・・・なんだと!?」

オペレーター「ローマ、カルフォルニア、シカゴ!!各マスドライバー施設が攻撃を受けています!被害増大!」

官僚「馬鹿な!コロニーはもう無いんだぞ!今更マスドライバーを破壊して何になる!?」

オペレーター「グリニッジのマスドライバー、落ちました!」

官僚「(やつらは・・・まだ何かする気だというのか?)」

連邦軍は気付けなかった。革命軍の放った矢は一本ではなかったのだ――――。


――宇宙――
連邦軍補給コロニー アマテラス―――


その頃、この補給コロニーに一隻のガラクタが入港した。ガラクタとは、火星宙域で航行に支障が出る程までに傷ついたこの艦。ペガサスのことである。


ジャガリフ「やはり駄目ですか・・・。」

技師「いやー流石にここまでボロボロになってると我々としても・・・。型が型だけに出来ないことはないんですが。」

ジャガリフ「そうですか。退艦式までは飛ばしてあげたかったが。ここで終わりか・・・兄弟」

技師「・・・まぁ、よく戦えましたよ。こんな古い型で。」

ドッグではペガサスの艦長、ジャガリフ=ロンハーが傷ついた愛艦を見上げながら技師と話していた。
ペガサスは火星での戦闘でコロニー落下阻止作戦にすら参加できなかったのだ。
そんな哀愁漂う会話をぶち壊すようにペガサス オペレーターがふらふらとやってきた。

技師「一応修理は出来ないことはないんですが、こりゃ大破みたいなもんですからねぇ・・・。ん?なんだありゃ?」

????「か〜んちょ〜〜ぉ!と〜め〜て〜!」

ジャガリフ「ぉおっと、キャサリンか。いい加減無重力になれたらどうだ。」

キャサリン「うわととっ!・・・ありがとうございます。って、オペレーターなんてほとんど座りっぱなしなんだししようがないですよぅ!・・・・やっぱりペガサス駄目でした??」

ジャガリフ「うむ、残念だがな。しばらくは指示がくるまでここで待機だな」

キャサリン「指示、ですか。来ますかねぇ〜私たち本部から嫌われてるし〜」

ジャガリフ「お前は・・・またそういうことを・・・。」

キャサリン「アハハハハ!でもペガサスもこうなっちゃったし・・・しょうがないですよね」


キャサリンが少し淋しそうに俯く。
ペガサスのクルーにとってこの艦は軍艦ではあったものの大切な居場所であった。

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