《MUMEI》

 


『  ……ッア 』

あ゛あ゛……?
聞き覚えのある、マヌケ声だなヲイ。



『 いいだろ?』


「〜〜〜〜っ?!」

氷室様の末尾の優しさに志島螢は動揺を隠せない。
僕も壁にへばり付いて聴き入ってしまう。



『 ……ヤぁ、 』

嫌だと?
それはこっちの台詞だああああ!

下唇を噛み締めたら鉄の味がした。


「渡部、目、怖……!」

志島螢に言われて睨み据えてしまう。





『 ……アゥ、  ちあきさまぁ も、駄目……』



    「 な 」

    なんだと、
  なんだと、

なー んー だー とー?!


中でどんなプレイを……ッ


「 渡部、わたべっ、入ってるミゾオチっ……!」

我慢に我慢を重ねて悶えていたら志島螢の腹に頭突きしていた。



「 そんな痛み、僕の傷に比べればッ……」



『ち、ちあきさ アぁ、ア……!出ちゃうっ』


嗚呼、
頭に勝手に音声に合わせて何か映像が流れて……ッ!

止まれイマジネーション!



最後に見た映像は壁だった……

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫