《MUMEI》
覚悟
長い予備校が終わった。
帰り支度をだらだらとし、誰もいなくなった教室の机を軽く爪先で蹴飛ばしながら教室を出る。

何かに不満があるのではない。
ただ何となく…

うわべだけの予備校の連れが入口の扉を開けた目を反らした。

それもそのはず、黒い集団がいるのに気付いたからだ。

「おい、平岡亮平。今日は逃がさへんで。」
そう藤田朝男が言った矢先だった…

何人かの男が襲い掛かってくる。

いつもの事のように車を停めながら八条通りを猛スピードで駅へと擦り抜けていく。

さすがに陸上部で全国大会に出場していた平岡には誰も追いつけない。

平岡は携帯を取り、電話帳の一番上にあった男に電話した。

「八条口に今朝の集団がおる、スタントを頼む」

それだけ口にし、電話を切った。

平岡は駅の人混みを避け、暗い階段の下で制服の中から、ナックルと三段棒をだした。

両手を広げて、学ランを脱ぎ、赤いTシャツになり大きく深呼吸した。

そこにセルシオの改造車がやってきた。

電話で呼ばれた男が集まったのだ。
助手席から出てきた男を見て、それを確認していた警官が険しい顔をして寄ってくる。
男は京都でも有名な七沢健…
連合の頭で、有名な国立大学に通う24歳。
ルージュのアンゴラコートを身につけている。

「亮、俺を呼び出したからにはわかってんな。」

「あぁ、抜けれなくてもええ、覚悟してっし」

「行くぞ、乗れ」

後部座席に飛び乗った。



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