《MUMEI》 頼の性癖柊が異様に頼を警戒するには理由がある。 厳は普通に女好きだが、頼は可愛い系大好きなバイなのだ。 それは俺も果穂さんから聞いて驚いたが、俺には関係無いと思っていた。 (だってこいつ、本気に見えないし) どちらかと言うと、俺にちょっかいを出すのは、半分は志貴や柊の反応を楽しんでいるような感じがした。 [ジッと見つめられると照れちゃうな〜] 「それより、柊。希先輩に会いに来たのか?」 [うわ、無視?] (付き合ってられるか) 俺は頼を無視して柊を見つめた。 「あ、…それも、もちろんあるけど…、こ、これ…」 「何?」 「誕生日、プレゼント。もらってくれる?」 「ありがとう」 俺は、真っ赤になっている柊から箱を受け取った。 [もう、浮気?] [ち、違うよ!] 「… 何してるの?」 「違うよ!浮気じゃないよ!本当にただの友情だよ!」 「わかってるわよ」 偶然通りかかった希先輩は、余裕の笑みを浮かべていたから (良かった) 内心、俺もものすごくホッとした。 「希、可愛い子連れてるね」 急に頼は日本語になった。 「あ、うん。サッカー部の新しいマネージャーなの」 前へ |次へ |
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