《MUMEI》

「志雄君どうしたのその頭ッ!」


「……っ」

てめーのせいだよっ……!
マヌケ声は頭の傷によく響く。


包帯は目覚めたら巻かれていた。
同時に志島螢のベッド側の壁には大穴が空いていた。




「……明石君こそ、昨日はさぞ楽しんだでしょーにねっ?」

平常心平常心平常心平常心平常心平常心平常心平常心平常心平常心平常心平常心平常心平常心だ…………!



「――――――エッ。」

ウオオォォォ
なんだその意味深な赤ら顔はーーーーーー!


「ナニソノ、ゴミブクロー……?」

その、袋には一体どんな享楽に耽った痕跡が詰まってるのカナー?


「あ、
あ、わ、ご、ごごゴミはゴミだよ?」

吃る意味が分からない!


「棄ててあげる。」

こっち
  わ、た、せ、


「いいっ、いいよ!」


「ウン、ちょーだいっ」

こんなちまいのに意外な腕力だな……


「 そうじゃないよぅっ、」




    パアン!


    「「 ア゛」」


破けた袋から黒い塊が溢れかえる。


「し、志雄君これはね……あれだよ、       ――――も…、もずく?」

つまらない、ジョークだ。

腫れ上がる憤怒。


「 ぼく、だって……」

頭の傷が痛い。




「…………? 志雄君?」

なんつーマヌケ面だ。
顔を僕の視界に近付けるな……






「……僕だって、本気を出せば剛毛になれるんだからねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

剃毛プレイかよッ……!

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