《MUMEI》
花林糖
◇◇◇

雛祭が終わって五日。

あたしは朝から幸福堂に向かってた。

雪はすっかりが溶けて‥

そろそろ春の気配が近付いてきてるような気がする。

≪びゅううっ≫

「!?」

凄い突風‥。

春一番ってこれかなぁ?

なんて呑気に思いながら畔道を抜けて河原に出た。

並木道の蕾達を眺めながら──

辿り着いたお気に入りのお店の戸を開けた。

◇◇◇

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