《MUMEI》

そして人差し指を立てて、嫌味かつ悪戯な微笑みをドラミに向ける…。


「ただ一つ困ったことがあってねぇ…」



「――…………?」



「…僕の夢の前には、小さな石コロが転がっているんだ…。

…とても小さくて邪魔な石コロがね…(笑)」



――…石コロ……即ちそれは、障害物の例え…



――…そして、その石コロは、取るに足らない程の大きさ。…とでも言いたげに出来杉は笑う。



――…石コロとは、何を意味するのか?……想像することは容易い。



ドラミは、浴びせられた言葉に侮辱の意図を感じとると――…


「何が言いたいの…?」


…敵意を剥き出しにした目で食ってかかる…。

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