《MUMEI》

「タマ、俺の命令以外で止まるな。」

千秋様に襟を引っぱられながら廊下を連れられる。


「コラー千秋!明石君を鞄みたいに持ち歩くな!」

螢さんが僕達に近付いて来た。


「自分のものをどう扱っても勝手だろう。」

僕は
ち、千秋様のモノっ……
つまり僕は千秋様の一番親しい者?


「だから、いたいけな子を虐待するなっていうの!」


「……持ち歩かれるのもどうかと思う。」

志雄君が心配してくれた。

「志雄君、大丈夫だよ。」


「ああ、そうだね。見りゃあ分かる。」

志雄君は優しいなあ……。





「……お前達、千守と関わるな。」

千秋様はそれ以上の事は話してくださらなかった。

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