《MUMEI》 第一回M属性会議「何故だろうね。」 志雄君が語気を荒らげる。 「なにー?」 螢さんは首が外れかけて保健室行きになった。 ベッドに横になっている。 「だから、氷室様だよ。」 「別に千秋は千秋じゃん。」 螢さんの言う通りだと思う。 「弟さんのことだよ」 志雄君はいつもより熱心に語りかける。 「千秋が近付くなって言ったんだから大人しく従えばいいだろ。俺は氷室一族とは関わりたくないんだよ」 螢さんはベッドに潜る。 「……志島君よく言うね。君も立派に氷室一族に片足浸しているのに。」 新井田さんは螢さんと顔見知りらしい。 「……寝る。」 螢さんは布団でシェルターを張った。 「明石君はどうなの?」 「どうって……」 何を言えばいいやら。 「気にならないの?」 食いつかれた…… 「千秋さんと千守さんはとても仲の良いご兄弟ですよ?」 新井田さんが志雄君を宥める。 「何故、新井田さんが言えるんですか!」 今日の志雄君は勢いがあるみたいだ。 「んー。何故だろう。」 新井田さんが首を傾げた。 氷室家と繋がりがあるのは秘密らしい。 前へ |次へ |
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