《MUMEI》

「どうしよう……。」


助けたのはいいが、この後どうすればいいんだ?


この人ずっと気を失っているし…。


「ん?」


心なしか、この人、耳が尖んがっている様な……。


な、なんだ?


背中にコウモリみたいな羽根まで付いている。


ほ、本当にどうしよう!!


俺は一人、暗い部屋で混乱していた。


しばらくその場に座り込んで考えていると、やけに生暖かいものを足に感じた。


居ても立っても居られなくなって電気をつけると……





「なんだこれ!!」


思わずすっ頓狂な声を上げてしまった。


床一面に、赤黒い、ドロドロとした液体が広がっていたのだ。


その液体は、その人(?)の羽根から溢れている。


このままだったら出血多量で死ぬぞ……!!


そう気がついた瞬間、ワナワナと体中が震え出した。


た、助けなきゃ!!


俺は、反射的に部屋を飛び出していた。

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