《MUMEI》 困った時は忍に相談《今更だな》 (そりゃそうだけど…) あまりにキッパリと忍に言われて俺は凹んだ。 《あの、お前の大好きな婆さんも言ってただろう》 忍は、基本的に俺が教えても、固有名詞は使わない。 特に、春日さんは、旦那様と同じ苗字だからか、固くなに呼ぼうとはしなかった。 「…っ、でも。春日さんは、秘密にしてもいいとはあったけど… 嘘をつけとは言って無かった」 俺は、全てを今友達と呼べる人間に話すつもりは無かった。 ただ、今まで普通に積み重ねてきた嘘が、あまりにも多いのが気になったのだ。 《何を訂正したいんだ?》 「俺の、生まれと、背中の事と…… 忍との関係」 最後は、かなり緊張して、声がかすれた。 《…》 「…大さんに、説明したみたいに、…果穂さんに説明したみたいに、固有名詞は言わないから」 旦那様の名誉は傷付けないから… 《俺の事は訂正するな》 「え? そこ?」 そこは普通一番訂正しやすいだろうと思っていた。 《するなら、卒業してからにしろ。俺は、お前の保護者で、お前の友達に会う確率が高い。 …一緒に嘘をついていたのがバレたら、余計な恨みを買いそうだからな》 前へ |次へ |
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