《MUMEI》
不思議な気持ち
『プレゼントありがとう。来年の俺の誕生日に、…俺の事、話す』


今すぐ話す勇気は無いし、タイミングもわからない俺は、そう、柊に送信した。

柊からもらったのは、銀色の鈴がついたキャラクターのキーホルダーだった。


(乙女趣味だよな)


女性に大人気の猫のキャラクターを見て思わず苦笑した。


しかも、カードには『俺とお揃いだから』と書いてあった。


(携帯ストラップは、希先輩とお揃いだしな)


あれから柊は、自分の分の携帯ストラップも作ったらしい。


つくづく、柊は乙女趣味だと思う。


(志貴も純情だしな)


見た目は派手だが、俺の友達は、祐以外は恋愛面は子供な気がした。


(絶対、言えないよな)


俺と旦那様の関係なんて。

(でも、後悔はしてないんだよなあ…)


旦那様と過ごした日々は、間違いなく幸せだったから。


(普通はするんだろうけど…)


俺は、後悔なんて


旦那様と出会わなければとか


愛し合わなければなんて、考えた事も無かった。


(俺、変なのかな?)


唯一俺が後悔したのは、あの日、旦那様に大人の声で話しかけてしまった事だけだった。

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