《MUMEI》
「楽しかったね、いつもあんな風に遊んでんの?」
街に行った帰り道、秋穂は周哉に話しかけた。
「いや、遊びに行くのはだいたい月に二回くらいだよ。なかなかみんなの都合が合わなくてね」
「ふーん。いつもあの人たちと遊んでるの?」
「まーね。あいつらさ、幼なじみなんだよ。小学生の頃からずっと一緒なんだ」
「そうなんだ」
「そういえば、秋穂ちゃんたちってどこに住んでたの?」
「あの」
急に秋穂がちょっと不満そうな声をだす。
「何?」
「秋穂"ちゃん"って呼ぶの、やめて欲しいんですけど」
「え、何で?」
「だって、何か他人行儀みたいで嫌なんです。私は秋穂でいいです」
秋穂が真剣な顔で言ってきたので、周哉は少し驚いた。
(そんなにこだわる所じゃ無いと思うけど・・・)
「わかったそう呼ぶよ。それで秋穂たちはどこに住んでたの?」
改めて聞く周哉。
「ありがと」
秋穂は嬉しそうに笑った。
「私は大阪に住んでたの」
「あれ?でも大阪弁じゃないよね」
「ああ、それは小学生の時は東京に住んでたから。お母さんが東京出身なんだ」
「あ、そうなんだ。だからか」
しばらくすると二人は家の前にに着いた。
「今日はカレーだっけ?」
「そうだったと思うよ」
喋りながら二人は家に入っていった。
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