《MUMEI》
【聖視点】
「珍しい、日高が寝癖ないっつーか、
つか、ちょっと変わった?」
何処となく空気が違う。髪型が今時っぽくなってるのもそうだけど、他も…
見た目変わった訳じゃない、どこがどうってのは分かんないけど、何かが違う。
「…ちょっと気にしようかなって」
日高はそう言うなり俺から視線を逸らした。
「?…まあ、いいけど、なー?ケーキありがとうな、誠に聞いたんだ」
「……うん」
「……、日高大丈夫か?」
すっと額に手をあててみる、しかし熱はなさそう。すると日高は俺の手首を掴んだ。
「聞いていい?」
「え?うん?何?」一瞬で離された。以外に細い手なんだなと思いながら日高の前の椅子に座る。
日高は机に肘を付き、両手を頭にあてながら俺を見つめ、小さく言った。
「佐伯って童貞なの?それとも経験者になるの?」
「な!そ!それは!!」
全身の血が引く引く!ちらっと考えた事はあったけど気にしない事にしてたっつーか!
いや、なんだコイツ!心配して損した!
「…気になってさ、な?どうなんだろ、俺達はどっちなんだろう」
「は?俺…達……?って…今言った?」
日高は顔をいきなり赤く染めだし、コクりと頷いた。
「え?ええ??
どういう事??」
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
ケータイ小説サイト!
(C)無銘文庫