《MUMEI》

◇◇◇

「ごめんな、独りで待たせちまって(苦笑)」

「ううん、ありがと──座る場所捜してくれて(微笑)。‥‥‥ねぇ、蜜樹君──」

「ん?」

「大丈夫‥? 何か‥‥‥」

「おう♪ ──ぁ、ほら、あそこのベンチ‥」

「ぇ‥」

しっかり繋がれてた手が‥‥

ゆっくり離れてくのが分かった。

≪グラ‥≫

「み‥‥‥」

あたしのすぐ脇で‥‥

蜜樹君の体が前に大きく傾いた。

≪ドサ‥≫

「蜜樹君‥!?」

◇◇◇

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