《MUMEI》
最後の手段
―――…フッ……


その沈黙は、出来杉が洩らした小さな含み笑いとともに終わりを告げる…。



そして、カメラを机の上に戻すと――…



替わりに“黒いノート”を手に取った。



――……そして………!



「…“最後の手段”……だ…。」


彼は小さく低い声で……ボソリと呟いた。



すると、今までどんな苦境に立たされても、けして揺らぐことが無かったニアのポーカーフェイスが、その台詞を聞いた途端に引き攣った!



「ま……まさか…!」


ニアは、窓枠の影で明らかにうろたえている――…。

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