《MUMEI》

◇◇◇

「───────」

「ぁ‥」

蜜樹君が‥‥

微かに目を開けた。

「あんこ‥‥?」

「──良かったぁ‥」

あたしは涙目になりながら笑ってた。

凄く心配で‥‥

怖かった。

≪ぽた‥≫

「あんこ‥‥?」

あたしの目からこぼれる滴が蜜樹君の頬に当たる。

「あんこ‥‥‥‥ごめんな‥」

蜜樹君はまだ怠そうにしながら‥‥

それでもあたしの方に腕を伸ばして涙を拭ってくれてから‥‥

そっと抱き寄せてくれた──。

◇◇◇

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