《MUMEI》
あの夜の続き
そして、金曜日の夜。


「…っ…〜〜〜…」


うつ伏せになった俺は、沸き上がる羞恥心と不快感を堪える為に唇を噛み締め、シーツを握り締めていた。

雅は俺が持参したローションを使用していない。


かわりに、自分の唾液で俺の中を濡らしている。


「ンッ…」


そして更に、自分で舐めて濡らした指を俺の中に入れ、かき回してほぐし始めた。


「ハッ…ッ…ア?…」


(な…んだ?)


やがて、不快感以外の感覚が、俺を襲う。


「…ココ?」

「ンッ!…アッ」


雅がある一点を激しく攻めると、俺の体が震えた。


「やっと、可愛くなってきた」


女のような声を上げて真っ赤になった俺を見て、雅が楽しそうな声を出した。


「…本当にいいんだな?お前が一言でも嫌だと言ったら、やめるからな」


指を抜いた雅が、固くなった自身の先端を入口にあてながら、最終確認をした。

俺は、覚悟を決めてコクリと頷いた。


今から、雅は俺を犯す。


雅はわざわざ今日、あの日俺が旦那様を拒まなかったらという設定で俺を抱いてくれていた。


だから、ローションはもちろん


ゴムも使わず、俺を貫き、俺の中に精液を全て吐き出した。

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