《MUMEI》

「宗方さん、なんで一日に初詣なんですかー?」

岸君鋭いな……。


「あの色男でしょう?」


「ギクー」

だって、だってだって乙矢君は初詣行くって言ったんだもん!


「内心を口に出すとダサダサですね。」

岸君のくせに言いやがる。


「……着物着る?」


「利恵さんは宗方さんに優しいよな……」

多分、俺に構うのは岸君の反応が面白いからってのもあるんじゃないか?


「だって、社長が健気に年始の予定合わせようとしてるんだもん。
受験生に年始過ごそうだなんて無謀な企画はあしらわれるに決まってるしね。少しでも会える可能性に賭けたいんでしょ?」

利恵さんにはお見通しだった……。


「宗方さんてば……、キモいですね。」

健気なんだっつの。


「利恵さん、会ったときいつでもムラムラするよーに綺麗にしてくれる?」

ムカつく岸君には罰として俺が利恵さんに着付けられるのを指をくわえて見せ付けるの刑。

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