《MUMEI》 「 じろー 、見て。」 七生の指先は顎から鎖骨に流れる。 「……言い色のアクセだね……。」 黒のプレートがカッコイイ……。 大きな手が器用に首に掛かっている鎖を外す。 路地裏に、自然に誘導されてしまう。 七生がにや、と笑う。 「鎖を掛けて、繋げて下さい。御主人様」 外したアクセを掌に落とされた。 「繋げ……」 落ちた鎖が体を震わせた。 鎖で繋げてだなんておねだりするだとか。 七生君みたいな平凡な高校生には簡単に出来ることなのな……? 「はい」 屈んで、掛けやすくされた。 瞼を下ろして、精悍な顔立ちがよく見えた。 前へ |次へ |
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