《MUMEI》 「は…あ…」 俺は体を捩りながら、息も耐え耐えに秘部を触る。 「な…尚…」 (なんであいつの名前思い出すんだ!?) 「あ…やば!」 そして、俺は果てた… 「ハァ…ハァ…」 汗もダクダクで、気持ち悪い。 (シャワー入ろう) その頃、宮は― 「兄ちゃん!」 「なんだ?宮」 自分の兄貴に話しかけていた。 「…私は…就職でいいの?」 「ハハハ…なんだよ急に」 「心配だから聞いてるの!」 兄貴はビールを口にしながら答えている。リビングに居るのか? 「いいんじゃないか?お前は就職で。なんなら研究生っていう道もあるんだぞ」 この言葉に宮は信用するんだろうか… 「ビール飲んでない日に聞けば良かった」 「兄貴の言う事が聞けないのか?」 「うるさい!」 そして、宮は二階へ上がって行った。 「…宮…」 自室に入り、一人考え事をしていたらしい。 「ハァ…私の周りにはどうしてまともな人がいないのかしら」 一人本棚を眺めていた宮だった。 そして、自慰を終え、シャワーを浴び終わった俺はというと…― 「課題…ちっとも進まない…」 後一息というところで詰まってしまったのだ。 「畜生…」 (明日、尚に教えてもらおうかな) そして、俺は半ばやけくそに、ベッドに横たった。 「ハァ…疲れた…」 おもむろに携帯を開き、尚にメールをする。 すると、尚から電話が入って来た。 「もしもし…」 「もしもしー!龍也ー?」 「なんだよこんな時間に」 「つれないなー今からお前のアパートに行こうかと思ったのに」 俺は体勢を変えて話す。 「ていうか、お前、熱あるんじゃないの?」 「ないよ。誰だよ、そんなデマ言った奴は」 「俺のダチ」 次の瞬間、尚は怒りの如く叫びをあげた。 「あの…もしかして、陽仁?」 陽仁とは、俺の幼なじみなのだ。 「あぁ…」 「あの野郎〜明日会ったらタダじゃおかねぇ…」 かなり声が凄まじかった。 前へ |次へ |
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