《MUMEI》

「塁羅が何を作っているのか見ているだけさ。」


ラルンはドアの隙間から、塁羅を見た。


塁羅は直径10センチのケーキ型二つに生地を流れ入れていた。


「ケーキを作っているようですよね。」


「うん。たぶん綺嘉君と紫吾君のケーキを作っているんだよ。」


「そうかもですね。ずっとここで塁羅を見ているんですか?」


「あぁもちろん!」

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