《MUMEI》

「お待たせしました。」


『出来たか。』


紫吾は栞を挟み、本を閉じた。


綺嘉はベッドの上で、仰向けで眠っていた。


塁羅は、紫吾が座っているテーブルの上にケーキなどを置くと綺嘉に近づいた。


「蓮邊さん起きて下さい、ケーキ出来ましたよ。」


塁羅は軽く綺嘉の体を揺すった。


すると凄い速さで起き上がり、綺嘉は塁羅の首筋に噛みついた。

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